往生要集絵1 地獄図
双巻紙本着色 各132.9×87.2cm 江戸時代
「往生要集」は寛和元年(985)に、源信(942~1017)によって執筆されたもので、三巻より成り、極楽往生について書かれた経論の中から重要な 文や教えを集め、浄土教思想を体系化したものです。
特に法然上人が浄土宗を開かれる時に、高く評価された書物で、往生のためには念仏が大切であることが説かれています。
この書物のなかに、地獄と極楽の様子が手に取るように、詳しく書かれていて、これを絵に表したものが「往生要集絵」2巻です。
地獄図には、一番上に死者を裁く閻魔大王が、その下には、血の池地獄や針の山など、地獄で苦に攻められる亡者の姿と、赤鬼・青鬼などが実にリアルに描か れています。