大覚寺のご紹介

人生を健やかに生きていくための説法を
毎月、御紹介していきたいと思います。

2018年(平成30年)4月のミニミニ法話・お説教

2018年(平成30年)4月

玄禮和尚のお説法

2018年(平成30年)4月

~ 第121回 「卒 業」 ~

 「まだ何も書かれていない予定表 なんでも書ける これから書ける」 俵万智

 今年も我が母校・県立姫路南高校の卒業式に招待され、同窓会長として出席しました。

卒業を英語で「commencement」というのですが、これには「開始」「はじまり」という意味もあるのです。

つまり、卒業は終わりではなく、新しい人生の始まりでもあるのです。

 毎年、来賓を代表して卒業生に祝辞を述べるのですが、今年は次のような言葉を餞(はなむけ)に贈りました。

「若者よ、夢と希望を持て、とは昔から言い慣わされていますが、夢を実現するために必要なことは、やる気・根気・勇気・元気という四つの気です。

中でもやる気が起きるのはどんな時かというと、1、目標がある 2、好奇心がある 3、やり遂げた達成感がある 4、やればできるという自信がある 5、褒められたり認められた時にやる気が起きるといわれています。

しっかりした目標を持ち、好奇心を失わず、達成したら更にハードルを上げ、人生をあきらめず、今をはつらつと生きる努力をすれば結果はどうであれ、誰かが必ず認めてくれるのです」。

こんな風に語りかけましたが、半分は自分自身に言い聞かせてもいるのです。いずれにしても、どんなに環境が変わっても「必要とされる人」でありたいものです。

 ところで、その私自身ですが、8年間務めあげた本山の管長職を卒業して、4月25日に永観堂を去り、姫路にある自坊の大覚寺に帰ることになりました。

特別になにか大きな仕事をした訳ではありませんが、唯一つ自慢出来ることがあるとすれば、8年の任期中、病気で寝込んだ日が一日もなく、与えられた公務を充分とはいえないまでも、ほぼ100%成し遂げたことです。

 中でも永観律師900回忌・法然上人800回忌・源信和尚1000年忌の法要の導師を無事務めあげられたこと。

また、全日本仏教会の副会長として、韓国で開催された世界仏教徒会議において、日本仏教界を代表して英語でスピーチしたことも忘れられません。

今日まで随分多くの方にお目に掛り、また宗務所はじめ多数の方々に大変お世話になりました。

 ご厚恩に対し深くお礼申しあげます。有難うございました。ともあれ、お別れです。
「思えばいと疾(と)し この年月。今こそ別れめ いざ、さらば」

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