今月の寺宝

ここでは大覚寺に伝わります
絵画・文書類を中心に御紹介していきたいと思います。

滝見観音像


絹本墨画   一幅   94.2×37.0  江戸時代(17世紀)
狩野洞雲筆



 狩野洞雲(1625~94)は彫金家後藤益乗の次男として生まれたが、11歳の時その才を見込まれまだ実子に恵まれていなかった狩野探幽の養子となっ た。

ところが後に探幽に実子探信、探雪ができたので別家し、駿河台狩野家を興した。

本図は墨画による観音図だが、その表現から洞雲は探幽から大きな影響を受けた画家だったことが実感できる。

洞雲は絵画制作のほか和歌を詠むなど、多くの才能に恵まれた人物だったようである。

なお、洞雲の号は黄檗宗の隠元隆琦が授けたものである。



(兵庫県立歴史博物館発行「寺院の絵画・大覚寺」より)



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滝見観音像