「鶴立山」山号額の直筆と「贈り状」
(京都宝鏡寺22世・本覚院宮宸筆 元文5年[1740])本堂正面の上に掛けてある「山号額」は、尼門跡である宝鏡寺の第22世・本覚院の宮の 染筆である。
本覚院宮は江戸初期の後西天皇の息女で、出家して宝鏡寺の尼門跡となった。
能筆家として知られ、男性的な豪快な書風である。
下の文書は、大覚寺からの依頼で染筆された山号の書を宝鏡寺から送る書状であり、併せて菊の御紋を白ぬきで染めた紫の幔幕を贈るという内容が記されている。
なお、この時、御水尾天皇の使用された菊の紋の座布団も併せて贈られている。
文中、御陽成院の名があるのは、当寺所蔵の「當麻曼荼羅」の銘文を御陽成天皇が書かれた「御宸翰」であることを述べている。