西山上人(証空)合掌像
紙本著色 一幅 55.4×23.7 江戸時代(17~18世紀)
古礀筆
茶色の納衣、袈裟を着けた僧侶が褥に端座合掌する。
面相部を破損するが、表情の細やかな描写がうかがえ、略筆ぎみの穏やかな運筆は瀟洒な画風を示す。
画面上部余白には着賛なく像主を確定できないが、箱書から証空像と考えておく。
「明譽」の白文方印があり、筆者は古礀(コケン)と推定される。
『古画備考』、『扶桑画人伝』によれば、古礀(承応二~享保二年/1653~1717)は大和郡山西巌寺などに住した画僧で、大黒の画を得意とし、「薬師寺縁起」四巻(現存)、「法然上人四十八巻伝」刊本の絵などを描いたという。
(兵庫県立歴史博物館発行「寺院の絵画・大覚寺」より)