蓮に鶺鴒図
絹本墨画 一幅 36.7×53.3 江戸時代(17世紀) 京極高豊筆墨の微かな滲みと濃淡で、蓮の浮かぶ水面の奥行きがとらえられ、鶺鴒(セキレイ)が頭をねじり、長い尾羽根をピンと伸ばして蓮の茎に取りつく、その小さ な力感を巧みに表現する。
これに画面左半の、墨調を強めた粗い筆致の蓮弁が効果的なアクセントとなって拮抗し、一幅の調和を獲得している。
筆者の京極高豊(明歴元年~元禄七年/1655~1694)は讃岐丸亀藩二代藩主である。
大覚寺がある興浜村(現姫路市網干区興浜)は播磨揖保郡内の丸亀藩領一万石のうちで、陣屋がおかれていた。
「高豊筆」の署名、朱文円印は「京極」と読むかと思われる。
(兵庫県立歴史博物館発行「寺院の絵画・大覚寺」より)