証空上人像
絹本著色 一幅 98.1×36.3 室町時代(16世紀)証空上人(治承元年~宝治元年/1177~1247)は、法然上人の高弟のひとりで浄土宗西山派開祖である。
浄土教を大成した唐の善導に私淑し、当麻曼荼羅図の流布に努めるなど、証空及び西山派の活動は鎌倉時代の浄土教美術の展開に多大な功績を残した。
独立した証空像の制作は、永観堂禅林寺を中心に西山派祖としての位置付けが確立される室町中期を画期とするといわれる。
畳上に端座し、墨染に黒の袈裟を着して両手で念珠を繰る像で、上部に色紙型を設けて着賛する。
上人の示寂の年月日と、上人の法語である鎮勧用心の冒頭一節が漢文体で書かれている。
(兵庫県立歴史博物館発行「寺院の絵画・大覚寺」より)