釈迦三尊像
絹本著色 一幅 97.4×51.8 室町時代(15世紀)伝張思恭筆
朱衣を着した釈迦が禅定印を結んで岩上の敷物に坐す。
肉髻朱がみえ、無精ひげ、髪をのばす。簡略な臂釧、腕釧、耳鐶をつける。
文殊は上半身もあらわで如意を、普賢は経冊をとり、それぞれうずくまる獅子、象に半跏して腰掛ける。
三尊の描写はいずれも伝統的な尊像表現から大きく離れ、著しく人間味の濃い表現を特徴とする。
元代に流行した道釈人物画に倣うことは明白だが、強烈な色彩対比、デフォルメや誇張による生々しさの追求は希薄である。
面相や衣文の各部表現の硬化は歴然で、ただ釈迦には少なからず後補もあるとみられる。
(兵庫県立歴史博物館発行「寺院の絵画・大覚寺」より)
■寺宝よもやま話■ ―お釈迦様のこと―
お釈迦様が悟りを開いた記念の日として、十二月八日を「成道会(ジョウドウエ)」とよんでお祝いしています。「成道」とは「成仏得道」の略で、悟りを開いて仏になることをいいます。
釈尊は、正しくは釈迦牟尼世尊とよばれます。
釈迦は、釈迦族の出身を表し、牟尼は聖者の意味です。
つまり、釈迦族出身の聖者で、尊敬に値する人というのが、釈迦のフルネームです。
これを略して、釈尊、あるいは世尊と呼ばれます。