大覚寺のご紹介

人生を健やかに生きていくための説法を
毎月、御紹介していきたいと思います。

2012年(平成24年)9月のミニミニ法話・お説教

2012年(平成24年)9月

玄禮和尚のお説法

2012年(平成24年)9月

~ 第054回 「アメリカ・インデアンの教え」 ~


 いじめが社会問題化する中で、やはり問われているのは家庭における親の姿勢ですね。

着物を仕立てる時、仕付け糸をつけます。縫い目を正しく整えるために、仮にざっと縫い付けておく糸をいいます。

やがて着物を着るときは、この仕付け糸をはずします。ここから家庭での幼児教育を「しつけ」というようになりました。

社会生活の秩序を守り、自らを向上させていくことのできる社会人に育てあげること、と辞書にあります。この場合、漢字で「躾」と書きます。礼儀作法を身に つけて身だしなみを美しく、という意味があります。

 躾は乳幼児から幼児期にかけてするものです。大きくなってからの躾教育は、あまり効果がありません。

小さい時に甘やかし放任しておいて、中学生くらいになって急に厳しく仕付けても、反抗し親から離れていくだけです。幼い時に根気よく反復して習慣付けるの が「躾教育」というものなのですね。

 ところで、子育てについての11の教えを綴った「アメリカ・インデアンの教え」という詩を紹介しましょう。

「子どもたちは、こうして生き方を学びます。  
 批判ばかり受けて育った子は、非難ばかりします。

 敵意に満ちた中で育った子は、誰とでも戦います。
 冷やかしを受けて育った子は、はにかみや、になります。

 妬みを受けて育った子は、いつも悪いことをしているような気持ちになります。
 心が寛大な人の中で育った子は、我慢強くなります。

 励ましを受けて育った子は、自信を持ちます。 
 褒められる中で育った子は、いつも感謝することを知ります。

 
 公明正大な中で育った子は、正義心を持ちます。
 思いやりの中で育った子は、信仰心を持ちます。

 人に認めてもらえる中で育った子は、自分を大事にします。
 仲間の愛の中で育った子は、世界に愛を見つけます。」

インデアンらしい素朴な教えですが、現代の日本人が、日本人の子育てが見失っているものばかりですね。今、大人たちに心に留めておいてほしい教えだといえ ます。

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