2013年(平成25年)1月のミニミニ法話・お説教
2013年(平成25年)1月
~ 第058回 「人生五計」 ~
初茜(はつあかね)
この言葉には、なんとも清清しい響きがあります。
大昔、万葉人は太陽が昇る直前の東の空の色を「茜さす」といいました。初日の出が昇る少し前、紅く染まる東の空。
もちろん、単なる紅ではありません。刻々変わる色合いが、それまでの暗闇を破って躍動し、新しい年のスタートを飾ります。
ところで、年の初めになるといつも思うのは「一年の計は元旦にあり」という言葉です。
---昨年の元旦にもそう思ったけれど、計画をしっかり立てなかったから予定通りいかなかった。今年こそはきちんと計画を立てて、一つ一つの目標を仕上げ ていこう---
と、心を引き締める時の気持ちは、お正月しか味わえないことです。
人生設計について、古来、多くの賢人がいろいろ残していますが、中国の宋の時代に朱新仲という学者が「人生五計」を説いています。
一つは「生計」。幼い頃から健全な生命力を育てる計画です。
二番目は「身計」。世の中の役に立つ人間となるために、勉強して自分を磨いていく計画です。
三番目は「家計」。成人して結婚し、子どもを産み育て、良い家庭を築いていく計画です。
四番目は「老計」。晩年になって充実した老後を送る計画で、そのためには若い頃から豊かな心を持てるよう努めなければなりません。
最後に「死計」。死に至るまでの用意をいいます。人間の死亡率は百%。最期の時を心静かに迎えるにはど うするか。この世との別れの準備はいいか。心の 用意はできているか。
最近は更に、尊厳死や脳死、臓器移植などが重要な問題として迫っています。
以上五計のうち、「生計」と「家計」は千年の歳月を越えて今も生き残っていますが、当初の意味ではなく「一家を支える家庭の経済や暮らし向き」という風 に使われています。
結婚するのも、家庭を支えるのも先立つものはカネ次第と経済重視に変化しているのです。
今、豊かな老後を暮らす生涯学習としての「老計」と、自分の死を迎えるにはどうすべきか、の「死計」が人々の大きな関心となってきました。わが身の五計 や、いかに?
新しい年を迎えて、一年の計ならぬ「一生の計」に思いを巡らせることも大切か、と思うのです。
この言葉には、なんとも清清しい響きがあります。
大昔、万葉人は太陽が昇る直前の東の空の色を「茜さす」といいました。初日の出が昇る少し前、紅く染まる東の空。
もちろん、単なる紅ではありません。刻々変わる色合いが、それまでの暗闇を破って躍動し、新しい年のスタートを飾ります。
ところで、年の初めになるといつも思うのは「一年の計は元旦にあり」という言葉です。
---昨年の元旦にもそう思ったけれど、計画をしっかり立てなかったから予定通りいかなかった。今年こそはきちんと計画を立てて、一つ一つの目標を仕上げ ていこう---
と、心を引き締める時の気持ちは、お正月しか味わえないことです。
人生設計について、古来、多くの賢人がいろいろ残していますが、中国の宋の時代に朱新仲という学者が「人生五計」を説いています。
一つは「生計」。幼い頃から健全な生命力を育てる計画です。
二番目は「身計」。世の中の役に立つ人間となるために、勉強して自分を磨いていく計画です。
三番目は「家計」。成人して結婚し、子どもを産み育て、良い家庭を築いていく計画です。
四番目は「老計」。晩年になって充実した老後を送る計画で、そのためには若い頃から豊かな心を持てるよう努めなければなりません。
最後に「死計」。死に至るまでの用意をいいます。人間の死亡率は百%。最期の時を心静かに迎えるにはど うするか。この世との別れの準備はいいか。心の 用意はできているか。
最近は更に、尊厳死や脳死、臓器移植などが重要な問題として迫っています。
以上五計のうち、「生計」と「家計」は千年の歳月を越えて今も生き残っていますが、当初の意味ではなく「一家を支える家庭の経済や暮らし向き」という風 に使われています。
結婚するのも、家庭を支えるのも先立つものはカネ次第と経済重視に変化しているのです。
今、豊かな老後を暮らす生涯学習としての「老計」と、自分の死を迎えるにはどうすべきか、の「死計」が人々の大きな関心となってきました。わが身の五計 や、いかに?
新しい年を迎えて、一年の計ならぬ「一生の計」に思いを巡らせることも大切か、と思うのです。