大覚寺のご紹介

人生を健やかに生きていくための説法を
毎月、御紹介していきたいと思います。

2016年(平成28年)4月のミニミニ法話・お説教

2016年(平成28年)4月

玄禮和尚のお説法

2016年(平成28年)4月

~ 第097回 「心ひろびろと爽やかに」 ~

 「五快健康法」というのを実行している人がいます。それは快食・快眠・快談・快便・快笑。この五つを実行すれば、健康になれるというのです。

それは、快い食事、快い眠り、愉快な話し合い、さわやかな便通、そして明るい笑い声。特に最後の「快笑」をお勧めします。

 一日一回、声を出して明るく笑うこと。これが大事なのです。

少ししか可笑しくなくても、努めて大声で笑う。そうすれば家庭の中に年中春風が吹いて、やがて長生きの家風が生まれてくる、と言われています。

「咲く」という字は「わらう」とも読みます。花が咲いているのは、花が笑っているのだと古人は感じたのです。

確かに笑うことは大事だと、誰もが知っているのですが、どうも最近は声をあげて笑うほどのことが少なくなってきたようで、淋しいですね。

 私の師父・中西玄道は77歳でお浄土に還って36年になりますが、いつも豪快に笑う人でした。

今でも時々、「大覚寺の先代さんは、大きな声で笑う明るい人でしたね」と檀家の人から言われることがあります。

笑い声がいつまでも人の記憶に残る、というのも大したもんだと思います。

それほど可笑しくなくても、心を明るく持って、あるがままに、感謝の気持ちで受け入れることは、実は大切なことなのだと亡父は教えてくれたのです。

 とはいうものの、毎日を笑顔だけで暮らすというのは難しいことです。実際に涙を流すことがなくても、泣きたくなるほど辛いことも多いのです。

でも、そんなときにこそ無理にでも笑ってみるのです。すると、泣きたい思いは少し和らぎます。

あるデパートでは、開店前にすべての店員が鏡に向かって最高の笑顔を浮かべ、それからお客を迎えると聞いたことがあります。笑顔は心の栄養剤なのです。

 禅宗の祖である達磨大師は、百五十歳まで長生きされたそうです。その達磨大師の長生きの秘訣は三つ。「緩・浄・善」。

 「緩」というのは、ゆっくりあわてないで、いらいらしないで、悠々と生きること。
 「浄」というのは、心に捉われるものがなく、いつも清らかで、爽やかに生きること。
 「善」というのは、すべてのものを、あるがままに受け入れて、善意にとらえること。

 なにごともひねくれないで、あるがままに、感謝の気持ちで受け入れて爽やかな笑顔で暮らす。そうありたいものですね。

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