2017年(平成29年)7月のミニミニ法話・お説教
2017年(平成29年)7月
~ 第112回 「柔軟(にゅうなん)心(しん)」 ~
アジサイの盛りが過ぎて、境内の沙羅が今年はたくさんの花をつけました。
ところで、フランスの作家・ジュール=ルナールという人の書いた『博物誌』という本のなかに、『蝶』という短い詩があります。
「二つ折の恋文が、花の番地を探している」
はじめてこの詩を教えてもらった時、胸の鼓動がいきなり高鳴るのを覚えました。蝶をこれほどまでに夢のあるイメージで描いた詩を他に知らないのです。
蝶々が花から花へ、ゆっくりと飛んでいる様子は、まさに二つに折った恋文が花の番地を探しているような姿ですね。夢とロマンを感じます。
こんな目で虫や鳥や花や木を眺めると、人は醜い社会の争いや普段の鬱陶しさなんて忘れてしまうのではないでしょうか。
ほかには夏の風物詩として、『アリ』という作品があります。
「一匹一匹が、3という数字に似ている。それもいること、いること!
どれくらいいるかというと、333333333333333333333・・・。ああ、きりがない!」
二つ折の恋文が花の番地を探している、その蝶の下で、蟻が3という数字に似た姿で一生懸命に餌をもとめて這っているのです。それも、キリがないほどの数でね。
ルナールのこうした作品に接していると、ものをそのものとして見るのではなくて、ものに夢をふくらませて見る目が、いかに大切か。
その目が日常生活をいかに潤いのある豊かなものにするか、がわかります。
仏教の経典に「柔軟心(にゅうなんしん)」という教えがあります。
「無理に飾ることのない、柔らかなこころ」という意味があります。
夢のある、こころ豊かな人間であるためには、こころが柔らかいこと。こころが柔らかければ、自然に笑顔も浮かぶし、愛情あふれる言葉もでてくるのです。
それは綺麗なものを見れば綺麗と感じ、素敵な人に出会えば、素敵と感じるこころです。
ところで、フランスの作家・ジュール=ルナールという人の書いた『博物誌』という本のなかに、『蝶』という短い詩があります。
「二つ折の恋文が、花の番地を探している」
はじめてこの詩を教えてもらった時、胸の鼓動がいきなり高鳴るのを覚えました。蝶をこれほどまでに夢のあるイメージで描いた詩を他に知らないのです。
蝶々が花から花へ、ゆっくりと飛んでいる様子は、まさに二つに折った恋文が花の番地を探しているような姿ですね。夢とロマンを感じます。
こんな目で虫や鳥や花や木を眺めると、人は醜い社会の争いや普段の鬱陶しさなんて忘れてしまうのではないでしょうか。
ほかには夏の風物詩として、『アリ』という作品があります。
「一匹一匹が、3という数字に似ている。それもいること、いること!
どれくらいいるかというと、333333333333333333333・・・。ああ、きりがない!」
二つ折の恋文が花の番地を探している、その蝶の下で、蟻が3という数字に似た姿で一生懸命に餌をもとめて這っているのです。それも、キリがないほどの数でね。
ルナールのこうした作品に接していると、ものをそのものとして見るのではなくて、ものに夢をふくらませて見る目が、いかに大切か。
その目が日常生活をいかに潤いのある豊かなものにするか、がわかります。
仏教の経典に「柔軟心(にゅうなんしん)」という教えがあります。
「無理に飾ることのない、柔らかなこころ」という意味があります。
夢のある、こころ豊かな人間であるためには、こころが柔らかいこと。こころが柔らかければ、自然に笑顔も浮かぶし、愛情あふれる言葉もでてくるのです。
それは綺麗なものを見れば綺麗と感じ、素敵な人に出会えば、素敵と感じるこころです。