2010年(平成22年)2月のミニミニ法話・お説教
2010年(平成22年)2月
~ 第023回 「菜根譚に学ぶ」 ~
二月になるというのに、本堂の前の梅の古木はつぼみが固く、まだ花開きそうにありません。
今年の冬の寒さにじっと耐えているようです。
ところで、中国の古典に「菜根譚」という書物があります。400年ほど前に洪自誠によって書かれたもので、儒教に禅の教えが加わった味わいのある随筆集 です。
この中に次のような一節があります。
「伏すこと久しきものは、飛ぶこと必ず高く、開くこと先なるものは、謝すること独り早し」
どういうことかといえば、
「地上に長く伏している鳥は、飛び立つときは必ず高く飛び、早く咲く花は必ず早く散る」
というのです。
だから、この道理を知っているものは、あせって足を踏み外すことなく、長い目でみて地道に努力することが大事だといっています。
いきなり善い結果を期待しないで、努力すべきことには最善を尽くして、それを誇ることなく、謙虚に振舞うことが大事だと教えてくれているのです。
なにか新しい仕事を始めようとするとき、だれでもなんとか成功させようと緊張感を保ちながら仕事に取り組むでしょう。ですから成功する確率は高いので す。
ところが、仕事が順調に進みはじめると、慣れが生じて気分が緩みます。緊張感も薄らぎます。手を抜くことも覚えます。そうするとロクなことはありませ ん。うっかりミスから、思いがけない事故を発生させます。世の中には、そういう例が結構あるのです。
そうならないために、二つのことに注意せよ、といっています。
一つは、最初の緊張感を失わないこと。もう一つは、好調なときこそ一層気持ちを引き締めること。
つまりは、初心忘れるべからず、ということです。
さて、2月10日からいよいよ本山の永観堂に入ります。私の新しい道が始まります。
緊張感を持続させながら、初心忘れることなく職務に精進したいと思います。
今年の冬の寒さにじっと耐えているようです。
ところで、中国の古典に「菜根譚」という書物があります。400年ほど前に洪自誠によって書かれたもので、儒教に禅の教えが加わった味わいのある随筆集 です。
この中に次のような一節があります。
「伏すこと久しきものは、飛ぶこと必ず高く、開くこと先なるものは、謝すること独り早し」
どういうことかといえば、
「地上に長く伏している鳥は、飛び立つときは必ず高く飛び、早く咲く花は必ず早く散る」
というのです。
だから、この道理を知っているものは、あせって足を踏み外すことなく、長い目でみて地道に努力することが大事だといっています。
いきなり善い結果を期待しないで、努力すべきことには最善を尽くして、それを誇ることなく、謙虚に振舞うことが大事だと教えてくれているのです。
なにか新しい仕事を始めようとするとき、だれでもなんとか成功させようと緊張感を保ちながら仕事に取り組むでしょう。ですから成功する確率は高いので す。
ところが、仕事が順調に進みはじめると、慣れが生じて気分が緩みます。緊張感も薄らぎます。手を抜くことも覚えます。そうするとロクなことはありませ ん。うっかりミスから、思いがけない事故を発生させます。世の中には、そういう例が結構あるのです。
そうならないために、二つのことに注意せよ、といっています。
一つは、最初の緊張感を失わないこと。もう一つは、好調なときこそ一層気持ちを引き締めること。
つまりは、初心忘れるべからず、ということです。
さて、2月10日からいよいよ本山の永観堂に入ります。私の新しい道が始まります。
緊張感を持続させながら、初心忘れることなく職務に精進したいと思います。