大覚寺近影
- 極楽の余り風 -
例年になく遅い梅雨明けですが、8月ともなると連日の猛暑。
実はお寺の建物は夏向きにできています。本堂の廊下にいると猛暑を忘れさせるような、涼やかな風が吹き抜けます。昔からこれを「極楽の余り風」といいま す。
境内に敷き詰めた玉砂利に、水の流れをあらわすような線が描かれています。早朝、ここを吹き抜ける風はまさしく極楽の余り風なのです。
「勤行の声の涼しさ 風となる」 |
「数々の子との思ひ出 夏木立」 |
「玉垣を明るく日々の 百日紅」 |
「蓮の葉の青の世塵を 寄せ付けず」 |
「睡蓮の水のほとりに 静心」 |
「駆けっこの児の声弾み 花蘇鉄」 |
「エルニーニョ寺にも及び 薄紅葉」 |
「むらさきの凛と鉄線の 返り花」 |
「穂を解きて 風と遊んでいる芒」 |
「児の瞳未来へきらと しゃぼん玉」 |
【撮影・中西
玄禮】 【俳句・中西あい】 |