大覚寺近影
梅一輪 一輪ほどの暖かさ (服部嵐雪)
この時期になると必ず口ずさむ名句ですね。
鶯は「春告鳥」と呼ばれますが、鶯とは名コンビの梅は「春告草」といいます。
百花にさきがけて、一年で最初に咲く花。しかし、当寺の梅は、今年は開花が遅かったですね。
冬の間、花の少なかった境内に、春を告げる花が次々と咲き始めました。
一輪ごとに春が近づいてくるようです。
還暦の日々近づけて しだれ梅 |
房となり風に華やぐ花 馬酔木(あせび) |
今もなほ残る面影 白椿 |
夭折の吾娘(あこ)に一輪 水仙花 |
歳月の紅の深さよ 藪椿 |
雨粒の光となりて 梅白し |
侘助や 茶室に今日も二三人 |
下萌えや 生きとし生きるものの影 |
【撮影 中西玄禮】 【俳句 中西あい】 |